今回は新規調達したイグルー製造器を加えた2台体制で臨む。小型を二基、素早く構築するのが目的だ。
人員は六名。とあるルートで
Locus GearYoshidaさん
水上の筏漕師 ガイド風間さん
新・放置民が行く ひとりでできるモン!いのうえさん
物欲と偏執の館nutsさん
ファミリーキャンキャンプynさん
わたくしULG
前日にマチガ沢出合いを通り、一ノ倉沢が見える場所まで1時間楽勝で行けたという風間さんの事前調査を受けていたが、この雪では前回のラッセルの再来だろう。嫌いではないが避けられる苦労は買っては出ない派、ということで予定地は武尊山の麓のスキー場の先の除雪が尽きたところ、緩やかな斜面を適当なところまで登って構築しようということになり、群馬県で3番目に売れているというコンビニで握り飯を調達して向かった。昨夜こちらに着いてから宴会の予行練習を盛大に行ったので少し残っている...この朝は豪雪のため電車は止まっているらしい。
"どのように除去するための引き出し"
車を出したが雪は一層強くなっており、スキー場へ向かう道では多くの車がスタックし動けなくなっている。おつきあいしていられないので、立ち往生している車には救いの手を差し延べてサッサと路肩に寄せてもらうという善行を積みつつ予定地に向かうことになった。最近の車はペコペコなので下手に押すと凹ませてしまいそうで、善意とはいえ凹ましたらそれはそれで請求されるだろうから車体がカーブした固いところを探して押さなければならない。
宝台樹スキー場の道路脇を通るリフトを見上げながら現地に着いたが、なかなか立派な降りっぷりにチョット怯み、取り敢ず空荷で場所の選定に向かった。股くらいの沈み込み、強力な突風がホワイトアウトを起こす。
ゴーグルしてなきゃ立ち往生だ。が、雪質は締まる系で期待が大きい。六名で交代ラッセルしながら200mくらい進んだが、うーん、いくら雪の中で寝たいと言っても、こんな強風雪下でやれるのか?ふと一人が口に出すと思いは皆同じ、さっさと退却することになったが時刻は早くも12時近く、大幅な時間ロスで痛い。
次に向かったのは出発点の至近、ガイド風間氏がキッズコースとして設定している沢沿いの林道を進むコースである。ここは頭上で風が轟くも平和な道だった。膝を越すくらいのラッセルで緩い登りを適当に進み、平らな広場を見つけて、先ずは予防的に各自のシェルターを設置してから作業に取りかかったので14時。時間的に厳しい。
今回は、iglooマシンを1台追加し、2チームでそれぞれ小振りなものを短時間で構築する方針であったので、私は8フィートの二人用に竿の長さをセットした。これは一昨年の八ヶ岳でも比較的短時間で構築した扱いやすいサイズである。風間チームも同様の筈。今回はビルーダー、シャベラー、雪収集係各1名の3名の2チームで臨んだ。収集係が専属というのは作業の効率が(シャベラーの疲労が)高い。� ��は遠慮無くどんどんモリモリ降っているが、風が無いので作業に支障はなかった。途中で雪質が変ったようで良く締まるようになり、構築中の崩落の心配が無くなったので、どんどんと作業が捗った。作業方法も販売元のビデオを見直したり、マニュアルを再度頭にたたき込んだり、雪質がよいので締め固めの手抜きをしたりで、チーム各自が高速とぐろ巻きマシーンと化して汗を流した。
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16時を過ぎた時点で胸の高さまで積み上げることができ、これはイケるのかも!と思ったので、屋根の閉鎖を目指して働いた。うつむいたまま無心に雪を固める作業をしていたが、ふと目を転じてみると、風間チームも快調に作業を進めているのだが、何か変?2人用の筈だったのだが竿の設定を間違えたらしく前回同様4人用くらいのサイズで進行している...しかも、途中で支点が抜けたことに気がつかず、一部が膨らんでしまって真円ではないらしい。辺りも暗くなってきたが今さら縮める訳にもいかないので、それはそれで作業続行だ。16:30、急速に開口部が狭くなり、肩が壁面に触れるようになってきたので一気に閉鎖に取りかかった。ブロック積みから左官屋的な作業に移行する。そして17時、垂直に押さえを立てて、天井に雪 を盛り、外から堅めに掛ることができた。既にトンネルも完成しており、あとは支え棒を外して天井が崩落しなければ完成である。三度目であるが天井の支えを外すときは緊張する。
もー勘弁してくれと言いそうなくらい雪を盛って外から叩きいたので、頃合いも良かろうと支柱を緩めた。おおお、不思議と雪は天井の平面から崩れず、無事にドームを閉鎖することができた。成功である!その後、狭かったトンネルを拡幅し、床にこぼれて固まった雪を削って整地して完成とした。外は既に暗い。
風間チームもヘッドライトを装着して作業を進めているが、いかんせんデカ過ぎた。まだ胸の高さで、あと2時間は掛るだろう。取り敢ず完成した2人用は詰めて入れば座った状態の6人を収容できそうだったのでこれを宴会場とし、風間チームの作業も明日に持ち越すことにした。
お疲れさんでした。雪はワサワサ降っており、積んだブロックの不整を埋めて綺麗に雪化粧してくれた。同時に各自のテントも既に雪に埋まり...先が思いやられる。
各自、寝床の用などを済ませて完成したiglooに集合したのは18時も過ぎていたか。天井付近に換気口を空け、壁に枝を刺してCO感知器と電球色LEDランタンをセットした。LEDランタンに照らされた壁面は蝋燭の時と同様、オレンジに染まり雪の中でありながら暖かみを添えてくれた。
どのように私は敷物をrstrechん
今日の晩飯は凄いのだ。風間氏が全員分のキャベツと豚バラの蒸し焼きポン酢添えと沖縄風ソバを出してくれることになっている。その他各位も概ね三人前の料理を提供することになっており、私は前回同様におでん、ポークソーセージ入り、他の方々もコラーゲンたっぷり美人鍋、カレーうどん、大根おろしで炊く常夜鍋、豚トロ焼き、麻婆豆腐などの出し物が予定されている。酒も充分。日本酒、焼酎、うおっと!危険なボンベイ・サファイア も一本飛び出てきた。火器はなぜかPrimus Eta Powerの2.1L+1.7L鍋セットが三つもある..常夜鍋はトランギアストームクッカーで炊かれる予定だし、焼きうどんは炭火でヤルという。外の豪雪をものともせずの宴会が始った。ら、すげーサプライズがあった。ガイド風間氏のBora80から、ナンと取っ手付きビールの3L缶が!食材のみならず、こんな重い物まで..雪遊び労働後には何よりのご褒美だ。途中そんな凄い物を担いでいるとは言っていなかっただけに感謝!男は黙ってビールを担ぐ、か。鍋を囲んだ車座で宴会が始った。
Eta Powerを3台も出してもアレなので、火器は1台を据えて鍋は各自のを使って順に調理を行った。igloo内の気温も上がり、天井付近の荒れた部分から水滴が垂れだした。構築担当としては締め固めの手を抜いているので少し心配ではあるが、まー、20cm近い壁面厚だし、表面が少し融けたくらい平気だろう。酒も進み次々に出される料理に満腹中枢も満たされた頭はそれ以上のことは考えることができない。鍋類は大いに水蒸気を放散しているが、壁が雪であるから、全部吸収されて濡れ戻りがないのがテントと違って冬の宴会に理想的だ。
炭、大丈夫かな?とカレーうどん担当が言う。炭はCOを大量に出すので危険だが、通気口も拡大したしCO検知器もあるので、やってみるかとなった。が、炭というか大きな竹輪状の練炭は着火剤が着いていて、濛々と刺激性の白煙を上げだした。まだCO検知器は鳴らないが、目や喉が辛い...炭は退場していただき、野外での調理用となった。CO検知器は積算濃度で鳴るので瞬間的には反応しないようだが、人間は高濃度のCOに触れると瞬間的に落ちてしまうので、その差、狭小な空間内で着火剤付の炭を熾すということは厳に慎むべきである。
igloo内での食料消費にタイムリーに対応するため、私も屋外でおでんを煮始めた。雪室内でもにんにくホイル焼きなどの調理が進んでいたと思うが、複数の蝋燭も灯していたし、やはりCO検知器が鳴りだした。血中CO濃度10ppmで鳴り出すことになっており、その状態で小一時間は死なないのだが、センサーがうるさいのでCOに気をつけることにして電池を抜いて黙らせた。
おでんも好評のうちに売り切れ、雪の中、アルコールストーブで炊きあげられた常夜鍋も供され、熱燗も進んだ。が、ボンベイサファイヤも空きそうだ。特に冷やしておかなくても冷たい状態が維持される。壁面をコップで軽く擦って雪を中に削ぎ落とし酒を注ぐ。強いジン、よく冷えたジンほぼストレートは危険だが旨い。
馬鹿話の名手が揃い、酒も料理も充分堪能し、いやー、和んだ和んだ。
寝落ちする人はテントに強制送還し、残りのメンバーで暫くやっていが、中は防寒着が要らないくらいに暖かくなっており、心なしか雪室が締まって縮んだ気がする。やがて、外のトランギアで作られた本格ドリップ珈琲に呼ばれたのでお開きとなった。〆のコーヒーは旨かったなー。
雪はなお強い。各自寝る前にシェルターの掘り出しが必要だった。
私のHex3も裾に雪が溜まって超トンガリ尖塔状の屋根になっている。本来であればVBLのテストのつもりだったが、やはり酔ってしまえば面倒だ。雪かきも面倒なので入り口のファスナーを開いて寝てしまった。
翌朝、雪はまだ降り続いている。幸い埋もれてはいないが、かなり居住面積が狭まってしまった。
ああ、人の声が聞こえる..もう構築が再開されているのだな。暫くして外に出たら昨夜iglooに宿泊したメンバーが自分のシェルターを掘り出している。聞くと、igloo内部が凄いことになっているらしい。外見は昨日のままだが...若干狭くなったトンネルを潜って雪室に顔を入れてみたら、おおお、何ということか!外見形状は変っていなかったのだが、内部は一部の壁が大きく孕んで床に近づいているではないか!これでは寝ていた中の人は驚いただろう。
昨夜の長時間の煮炊きと、発熱体が一晩居たことと、朝で+1度という暖かさで緩み、呆れるほど降り積もった湿雪の凶暴な重量と...壁面のブロックがゆっくり流動して潰れてきたようだ。この形は!基部の2段くらいはそのまま残り、壁面の一部が孕んで内部に落ち込み、反動で天蓋が盛り上がっている。前回の消失後の姿の途中経過であることが分かった。やはりコレだったか!雪は凹みに溜まるから、昨夜降った数十センチの雪で窪みは重点的に隠され、雪室の縮みも気がつきにくかった。
もう一基の構築中のiglooは..ああ、こちらも組み上げ途中の壁が飴細工のように内部に倒れかかていた。よく見ると..構築途中で残しておいた竿に力が掛かり、大きく曲がっているではないか。
構築中は外れやすい支点であったが、なにもこんな時に頑張らなくてもと泣けてくる。昨日遅くまで頑張ったこちらチームも無念だろう。彼らには申し訳ないが壁面に倒れかかったり残ったアーチ状に登って強度を確かめた。人が乗っても壊れないほど結構固いことは分かったが、長い時間では流動するのだ。気温がプラスではどうしようもないな。
意気消沈したが、やることもなくなったのでお茶を飲んだり豪雪風景を楽しんだり、ゆっくりと時間を潰して帰途についた。昨日埋めたペグなどは最初は効きが頼りなかったが、撤収時には雪も締まったので掘り出すのに苦労した。昨日付けたトレースはほぼ埋まり、また新たに膝上くらいのラッセルを強いられた。林道入り口に停めておいた車は巨大な豆腐のような、白くて四角い物体になっていた。
スコップで車を掘り出して帰った駐車場も雪が膝くらい。掘り出さねばネーチャーナビゲーターの事務所にも入れないし、何より帰りの車を出すことができない。一番の難所に思えた。運良く隣の自動車整備工場がブルトーザで除雪をしていたので、風間さんが話を付けてこちらもやってもらうことができたのは大いに助かった。でも、その後に車を掘り出すのに小一時間は必要...何をするにも雪をどかさなければ始らない。
一段落して事務所に入り、昨夜作りきれなかった料理を作り昼飯とした。いやいやコレはコレは、たっぷりと腹が苦しくなるほどの分量の料理が出てきた。どれも旨い。
やはり低地ではiglooを保たせるのは辛いようだ。しかし、3時間という短時間で構築できたのは成功とする。
次回は、パイプの曲がりを直したら、標高の高いところでの構築に取りかかろうと思う。
いや、今回も楽しかった!ありがとう。
igloo製造器の1台を風間さんの所に置いてきた。遊びたい人は連絡してみると良いかもしれない。
ただ自然の色々の現象について正当な理解を持ちたいと思っていられる人々に...「雪、中谷宇吉郎博士著」より
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